Jeu de Fils (ジュ・ド・フィル)は、いつまでも変わらぬ美しさ、愛らしさをもつ刺繍や手芸材料  
クロスステッチキットをお届けするweb shopです  

 


 
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フランスでのさまざまな手仕事を紹介していくIDEÉのページ

クロスステッチとカルトナージュを組み合わせた作品集「Cartonnage Brode」が フランスでも大好評、一躍人気作家となったソフィーとシルビー。待望の2冊目の作品集「Petits Cadeaux Brodee」が出来上がったときいて 著者のひとりであるソフィーのお宅を訪ねました。

パリ郊外の閑静な邸宅街のとある門をくぐると にぎやかな子供達の声がします。ソフィーは3人の男の子のママ。ちょうど お邪魔した日はフランスの幼稚園や小学校がおやすみとなる水曜日でした。少し恥ずかしがりやだけれど お客様にはいつも興味津々の子供達を子供部屋へ追い立てて、おしゃべりの始まりです。

ー クロスステッチをはじめたのはいつ?ー

「20歳のとき。ちょうど父が入院していて病院に付き添っていなくてはならなかったの。その退屈な時間を紛らわすために、クロスステッチキットを買ったのが最初だったわ。ビクトリア時代のサンプラーの復刻版だったわ。」

大好きな水色の布をはった長いすに腰掛け、微笑みながらソフィーが答えてくれました。手にしているのは出来上がったばかりの「Petits cadeaux brodee」。贈り物にぴったりの 小さな小物のアイデアで満ちた作品集です。サロンの書架や油絵は重厚な雰囲気ですが、部屋のあちこちにソフィーのコレクションしている「小さくて可愛いものたち」が置かれていて 雰囲気を和らげています。

ー こういったものは いつからコレクションしていたの?ー

「驚かないで聞いて。なんと10歳のときからよ。もっと小さなころ、母にもらった木製の乳母車があったわ。他の新しいおもちゃもあったけれど、私は古くて素敵なその乳母車が大好きだったの。そして同じような古い お人形や お人形のためのレターセットや小さな小さな本があることを知って 集めはじめたのよ。それからいろいろなものへと興味は拡がっていったの。クロスステッチをはじめてからは そこにお裁縫道具も加わったわ。だけどなにより ”小さくて可愛らしい古いもの”ってことが大事なのよ。ほら、これを見て」

ソフィーが子供の手のひらにのるような小さな皮の手帳を見せてくれました。 表紙には色あせてしまったけれど、わずかに黄色がのこった2匹のひよこが絹でアップリケされているノートです。小さくても立派な職人仕事です。

中を開くと!

小さな、小さな便箋と封筒、「お茶にお越しになりませんか」という招待状、「友情をこめて=amitie」というカードが詰まっています。「かわいいでしょう!!」といいながら 何度も手にしているはずのその手帳をとりあげ、大事そうにそうっとそのカードをめくっていくソフィーの指先と目の輝き。このときめきが作品を生み出しているのでしょう。

そんな彼女は クロスステッチを始めてすぐ、古いサンプラーや図案集の収集に夢中になりました。現在ほどクロスステッチは盛んではなく、蚤の市では 今からは想像もつかないほど安く 頻繁に図案集やサンプラーそのものが見つかったそうです。そういったものを集め眺めているうちに、キットを刺していくだけではあきたらず、アンティークモチーフを使っての作品作りを始めました。

「いつも気になるモチーフは同じなの。うさぎ、犬、小さな繊細な花のモチーフ。クローバー。リボン。繊細で小さな模様のレース」

初期のころの作品をこっそり見せて貰うと、今も繰り返し彼女の作品に登場するモチーフたちが お行儀よく、ちょっとかしこまった雰囲気で並んでいました。その後、蚤の市でみつけたお人形用の箪笥をリメイクするために カルトナージュを学び、製作がますます楽しいものなったといいます。幼いころから集めた レースの切れ端や貝ボタンも作品には頻繁に登場するようになりました。

ー どんな風にして作品ができあがっていくのかしら?ー

「まず 思いついたらすぐメモをするわ。バッグの中や家のあちらこちらに 小さなメモを置いているの。そのための鉛筆もね」

時折彼女の作品集に登場する カップにいれられた鉛筆たちはそのためのものだったのです。

「そして 時間があれば即刺繍するわ。夜、子供達と夫がサロンでおしゃべりしたり テレビを見ているときもその横で。もちろん子供が寝た後もよね。たいていの母親ってそうでしょう?」

「そう、バカンスに向かう車の中でもよ。家族でよくブルターニュへ行くの。ブルターニュまではだいたい車で4時間くらいかかるの。運転席と助手席には夫と母。後ろの席には息子達。そして ワゴンの一番後ろには 荷物と私。まるでバカンスに連れて行かれる犬のようにね。山と詰まれた旅行用の大きなバッグや乳母車の谷間に座って刺繍するのよ。お気に入りの糸とレースボタンだけをいれた箱をひざに載せてね。とっても窮屈で、自分でもその姿を想像すると笑ってしまうんだけど、邪魔されず集中できるのではかどるし、結構気に入っているのよ。 時折窓の外を見上げ、鳥が飛んでいるのを見つけて 思わず鳥を刺繍したこともあるわ。ステッチしているから 家族の中で私だけが渋滞も好きなのよ。

ー ステッチはゆきあたりばったりなの?ー

「そう、これを作ろう、と思って始めることはほとんどないわ。ちょっともったいないけれど麻布を大きくカットして 好きな場所に好きなモチーフをまず刺繍するの。たいてい私の好きな図案は小さいわ。この最初のモチーフを刺しているうちに、どんなものにしたいかのイメージができてきて そこにレースを足したり、ボタンを置いてみたり。それがすごく楽しい。」

ー 日本のもの、好きよね。キティとか新しいものもすきなのよね?ー

「そう 大好き。日本って 可愛いもののパラダイスなんでしょう??リセのころ、一生懸命ベビーシッターのアルバイトをして日本製の髪留めを買ったわ。今も 日本の可愛いものには驚かされる。ミッフィーの切手が貼られているmeil artを日本の方から頂いたときは作品はもちろん、その切手がほんとうに嬉しかった。刺繍のことではないけれど 日本の雑誌にも何度か登場したのよ。」 と、いたずらっぽい笑みでスクラップブックを持ってきたソフィー。彼女が見せてくれたのは数年前の雑誌 ミセスやエル ジャポンなど。当時 エルメスの看板娘?だった彼女、雑誌のページでは優雅にスカーフの結び方を指導していました。

最後に彼女からのメッセージを。
「いつも誰かを思って 刺繍してね。そうすると やさしいものが出来上がるわ。これは刺繍するすべての人へのメッセージよ。そしていつか日本に行きたいわ。」
 

(reported by Aki in Paris / 2005年5月20日)







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