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夢のリボン工場 KAFKA

ドイツ中北部ノルトライン・ウエストファーレン州はヴッパータールという町にある リボンメーカー「カフカ」をご紹介します。

1804年、モーツアルトの魔笛が上演された年に、ジャン・マーレがジャガード織機を発明しました。木製の織機本体=「ハード」と、厚紙に織のパターンを穴で示したその構造(ソフト)は、現代のコンピュータ・システムの先駆といえるでしょう。革命的な発明でした。(稼動力は蒸気モーターでした。)

しかし当時としてはあまりに未来的画期的でありすぎたこのジャガード織機は、人々に理解されず認められないままに脚光を浴びるないままに一旦 歴史に埋もれてしまいます。その後やっと時代が追いつき、繊維織物産業は長い絶世期を迎えますが、日本を始めとするアジアからのもっと安く美しい繊維に押され、ドイツの繊維産業はほぼ死滅します。

カフカのこの工場もそうして閉鎖された町工場のひとつとして、しばしの眠りについていました。それを1999年にテキスタイルデザイナーであるラウケ・カフカ夫人が買い取り、リボンメーカー「カフカ」として今日の姿に再生させたのです。

現在もカフカの前身であった織工場が使っていたそのままの107年前の織機27台を使い、6人の従業員で稼動。製造しているリボンの種類は300以にも及びます。ドイツの女性雑誌Brigitteに取り上げられ、その反響の大きさに一般見学者に門戸を開くようになって、まだほんの数年。小さな工場ですが、その製品の美しさに世界中から注文を受けています。手芸リボンの他に、オートクチュール用、そして服飾メーカーのタグなども手がけています。国外最大のマーケットは合衆国だそうです。

もちろん長年閉鎖されていた工場を再び起動に乗せるのは並大抵のことではありませんでしたが、カフカ夫人の情熱が成し遂げたのです。「カフカ」の成功を嫉妬した建物の元所有者から、所有権を争って裁判に訴えられたこともありました。しかしノルトライン・ウエストファーレン州政府が工場を「産業文化遺産」「生きて稼動している博物館である工場」と認定、カフカ夫人の功績を認め、工場続行の権利をカフカ夫人に認め、現在に至っています。

  


織機本体はオーク(樫)で、そして糸が渡る舟と呼ばれる部品(左上写真の弓形に出っ張っている部分)は磨耗しないよう特に硬い材質であるツゲの木でできています。ツゲの木は硬く目が詰んでおり、特にこのような機械部品として使用する際には樹齢100年以上の木を使用するので、木地は目が詰んでつるつるしており、糸がひっかかりささくれることもありません。この「舟」部分の木のつやを見てください。この織機では1時間に1メートル織るのが精一杯です。ちなみに現代の機械ならばその100倍のスピードで織ることが可能ですなのですが、それでもこの古い機械の方が優れている点もあるのです。

実は現代の超精密機械では綿100%のジャガードリボンは織れません。ホコリがでて精密機械を狂わせるからです。(カフカのジャガードリボンは基本的に綿100%。現代の織機で織るジャガードリボンはシンセティック素材)この美しいバラのリボンは1パターン(丁度写真に収まっているので1パターンです)の中に、横糸穴が256あります。256回横糸がとおるということです。気の遠くなるような細かさでこの美しさが表現されているのです。

左下写真のパターン穴の開いている厚紙をご覧ください。これが織のパターンです。普通 企業秘密としてこのような写真は撮らせてもらえないものなのですが、カフカ夫人は「今更この機械を真似て作ることは出来ないのだから、企業秘密でもなんでもないでしょ」と笑っていらっしゃいました。

   


カフカ(の前身工場)の初めてのジャガードリボンは 忘れな草 のデザインで、1850年のもの。これは現在でも最も愛されているデザインです。カフカは事前に電話申し込みをして、見学に訪れることが可能です。基本的に見学日は土曜日。カフカ夫人やその右腕ティナさんらが、お手製のケーキとお茶で暖かく迎えてくれます。



SHOPも併設されているので、全商品切り売りで購入するこも可能。カフカのリボンを使った美しい小物もあります。それに季節ごとの手作り手芸教室まで開催されています。



ぜひ一度訪れてみていただきたい宝物箱のような美しく幸せな場所です。

連絡先は下記のとおり...

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Frau Frauke Kafka
Beyeroehde 14, 42389 Wuppertal
TEL +49-(0)202-60-2744
* Wuppertal駅より、市バス 604/608番 停留所 Am Timpen下車、徒歩5分

(reported by Yuko in Germany / 2005年9月)

 







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